広島広域都市圏地域共通ポイント制度:地域を応援するポイントで広域連携を促進

広島広域都市圏では、地域経済と住民の地域活動活性化を目指し、平成30年10月から地域共通ポイント制度「広島広域都市圏ポイント」(通称:としポ)を運用しています。
スマートフォンアプリやICカードを活用したこの制度は、単なる決済手段を超え、地域活動への参加促進や広域連携強化といった多様な役割を担っています。
インタビューにお答えいただいた方
花田 雅治
2018年広島市役所に入庁し、市民税の賦課に係る業務に携わる。2021年から経済観光局経済企画課の主事として、広島広域都市圏ポイント「としポ」の普及促進、商工関係団体との調整等に従事。
Content目次
地域共通ポイント「としポ」とは:地域を応援する仕組み
広島広域都市圏内の加盟店で買い物をしたり、地域イベントやボランティア活動に参加することで「としポ」を貯めることができます。
貯まったポイントは、1ポイント1円として500店舗以上の加盟店で利用できるほか、圏域ならではの商品やサービスが当たる抽選応募にも使用可能です。
としポの貯め方と使い方

▲引用:としポ概要チラシ
としポは、地域内の商店での買い物、行政イベントへの参加、地元企業のサービス利用など、「地域のためになること」でポイントが貯まります。
- 加盟店での買い物
- 行政や企業が主催するイベントへの参加
- 地域活動への参加
貯まったポイントは、地域内の商店での買い物、地域で活動する団体への寄付、地域の特産品との交換などに利用できます。
- 加盟店での買い物(1ポイント1円として利用可能)
- 地元での特産品やスポーツ観戦チケットが当たる抽選への応募
- 地域で活動する団体などへの寄付
ポイントを地域内で循環させることで、地域経済の活性化に貢献することができます。
としポの利用状況とユーザー属性
令和6年12月末時点で、利用者数は84,396人(アプリ:47,145人、ICカード:37,251人)、加盟店数は584店舗(うちポイント付与店:251店舗)となっています。
利用者の年齢層は50代が約30%と最も多く、次いで40代が約25%、30代が約20%です。男女比は女性約60%、男性約40%となっています。

▲年代別利用者のグラフ

▲男女別利用者のグラフ
使いやすいアプリでポイント管理
「としポ」の利用には、専用のスマートフォンアプリが便利です。

▲としポアプリ画面
加盟店のお得なクーポンやキャンペーン情報が届くほか、ポイント交換や抽選応募も簡単に行えます。
アプリの利用方法
- アプリストア(Google PlayまたはApp Store)から「広島広域都市圏ポイントアプリ」をダウンロード
- 初回起動時にメールアドレスと任意のパスワードを入力して会員登録
- ログインして利用開始

▲引用:としポ概要チラシ
※App Storeは、米国およびその他の国で登録されたApple Inc.の商標です。
※Google Playは、Google LLCの商標です。
多様なアプリ機能で地域活動を支援
としポアプリには、基本的な決済機能に加え、スタンプラリー、ヘルスケア、ポイント抽選、お知らせ配信、ポイント寄付、ゴミ出しカレンダー(広島市)、クーポン、アンケートといった多様な機能がギュッとつまっています。

▲としポアプリ画面

ポイントを貯めたり使ったりするだけでなく、暮らしに役立つちょっとうれしい情報もゲットできるアプリです。
今後は、企業の福利厚生の一環である健康経営機能や、ふるさと納税連携なども検討されています。
地域経済と社会への貢献
「としポ」の地域経済への効果として最も大きいのは、ポイントを地域の中で使うことで、地域経済が活発になることです。
加盟店にとってのメリットとしては、買い物やイベントでのポイント発行により集客を促進でき、アプリのお知らせ配信機能を広報媒体として活用できることが大きいでしょう。
さらに、地域の経済活動や地域活動を応援していることを広く知らせることができ、ブランディングの向上にもつながります。
また、利用者側としては、今まではお金に換算されなかったボランティア活動などにもポイントがつくので、地域活動への参加意欲が高まっています。
いわばポイントの地産地消状態が生み出され、住民同士の繋がりが深まり、地域を盛り上げるツールとなっています。
としポの今後の展開
今後は、機能拡充や利用拡大を図り、広島広域都市圏内の市町や商工会等との連携を強化し、ポイント制度の利用者拡大を目指しています。
圏域全体でのポイント利用促進を通じて、経済活動と住民の地域活動の活性化を図り、広域連携のさらなる強化を目指します。

▲引用:としポ概要チラシ
よくある質問
Q:観光客も利用できますか?
A:どなたでも利用できますが、主に広島広域都市圏内の住民を対象としています。
Q:税金や公共料金の支払いに利用できますか?
A:税金、水道料金、電気料金、ガス料金の支払いには利用できませんが、各区役所の市民課窓口での各種証明発行手数料等の支払いにおいて、としポが利用できます。
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