佐賀県武雄市「たけおPay」とは?地域経済活性化とデジタル化を推進する武雄市の新たな取り組み

たけおPay ロゴ

佐賀県武雄市では、市民生活の利便性向上と地域経済の活性化を目指し、デジタル地域通貨「たけおPay」を含む複数のデジタルサービスを導入しています。

この記事では、「たけおPay」の概要や導入背景、具体的な仕組み、そして今後の展望について詳しくご紹介します。

武雄市がデジタル技術を活用してどのように地域課題の解決を図り、持続可能なまちづくりを進めているのか見ていきましょう。

古賀大揮

1995年武雄市役所(旧山内町役場)に入庁。デジタル政策課デジタル推進係長(令和5年4月発足後現在3年目)。デジタル地域通貨「たけおPay」をはじめ、武雄市公式スーパーアプリ、オンライン申請、オンライン公共施設予約、デジタルマップ等DX施策の推進に従事。

Content目次

「たけおPay」とは?武雄市が導入したデジタル地域通貨の概要

「たけおPay」は、佐賀県武雄市が導入したデジタル地域通貨です。スマートフォンアプリを利用した二次元コード決済方式を採用しており、市内の加盟店でのお買い物の際に利用できます。

武雄市がこの「たけおPay」を導入した背景には、地域内経済の循環促進、地域課題の解決、観光客誘致という明確な目的があります。

2025年1月にリリースしたばかりのサービスですが、市が実施する商品券やポイント付与事業などのデジタル化を推進し、より効率的な運用と利用促進を図っています。

「たけおPay」の仕組みと利用方法

「たけおPay」は、専用のスマートフォンアプリを使って利用します。加盟店に設置されたQRコードをアプリで読み取ることで決済が可能です。

チャージ方法と利用可能店舗・対象者

通常のチャージ機能は現時点では未導入となっていますが、プレミアム付商品券などの購入時には、クレジットカード決済や市内全てのコンビニエンスストアでの支払いが可能です。

2025年5月末現在、市内の約100店舗で利用可能となっており、対象は市内在住・在勤・在学の方だけでなく、観光客の方も含まれます。

ポイント付与機能で多様な事業連携を実現

「たけおPay」の大きな特徴の一つが、ポイント付与機能です。

発行団体(市など)がポイントを一方的に付与する形式と、指定のQRコードを読み取ってチャージする形式の2通りに対応しています。

この機能を活用することで、特定の事業と連動したポイント付与が可能となり、自治体から対象の方への給付手段としても活用されています。

導入初年度の取り組みと反響

たけおPay 第1弾スタンプラリー

画像引用:「たけおポータル」公式サイト(イベントは終了しています)

「たけおPay」は、リリースに合わせて「武雄発着西九州ぐるりスタンプラリー」といった独自のイベントを実施しました。

スタンプラリー事業とその効果

スタンプラリー事業では、市内外に設置されたスポットを巡り、スタンプを獲得した参加者の方に商品券を付与しました。

参加者された方からは「家族と出かける良いきっかけになった」と好評で、外出や地域内消費の促進につながりました。

また、スタンプ設置箇所や加盟店からも、売上増加や新たな顧客獲得につながったという声が寄せられています。

発行総額以上の経済効果や地域コミュニティ形成といった副次的な効果もあったようです。

利用状況に見る「たけおPay」の浸透

商品券の利用状況を見ると、小売店での利用が約67%と最も多く、次いで飲食店が約28%、サービス業が約5%となっています。

利用者属性としては、40代・50代が中心で、女性の利用者が男性を上回る傾向が見られました。利用者の半数以上が市内在住者ですが、観光客の方の利用も含まれています。

運営体制と今後の課題、そして展望

「たけおPay」の運営は、現在、自治体とシステム運営・開発事業者による共同企業体(JV)が担っています。

今後は、商工会議所や金融機関などの地域経済団体との連携も深め、運営体制の拡充を目指す方針です。

加盟店拡大と利用者増加に向けた取り組み

たけおPay 取扱店募集中

画像引用:「たけおPay」公式サイト

運営上の課題としては、加盟店舗数の拡大と利用者数の増加が挙げられています。

これに対し、市は全戸配布チラシ、市広報誌、ホームページなどを通じた周知活動を実施しており、今後は市内企業への定期的な説明会の開催を検討しています。

また、高齢者向けのデジタルデバイド対策事業の中でも、「たけおPay」アプリの紹介や利用方法の説明を実施し、利用促進を図っています。

将来的な機能拡充と地域通貨の定着を目指して

今後は、事業単位でのチャージ・利用に限定せず、利用される方が任意のタイミングでチャージ・決済できる仕組みの導入を検討中です。

これにより日常的な利用を促進し、利便性の向上を図ります。

また、地域内の店舗や事業者も発行団体として参加できるような環境整備を進め、地域通貨全体の拡大を考えています。

武雄市は、キャッシュレス化やデジタル技術の進化に対応しながら、「たけおPay」を通じて市民の方にとって身近で使いやすい存在となり、地域経済の活性化に貢献していくことを目指していきます。

一覧に戻る

TOP