愛媛県宇和島市に電子地域ポイント「RUC POINT」が登場!地域貢献でポイントを守って、まちのお店で使おう

愛媛県宇和島市で、新たな地域活性化の起爆剤となる電子地域ポイント「RUC POINT(ラックポイント)」が誕生しました。
市民の皆様の地域への参加・貢献をポイントとして付与し、そのポイントを地域内で使うことで循環させ、宇和島の元気、幸せにつなげることを目的としています。
本記事では「RUC POINT」の詳細や、実際に利用されている市民や地域活動に取り組む団体の声、その魅力と可能性を探っていきます。
お話を聞いた方
山下慎一郎
2003年に宇和島市役所へ入庁。福祉や人事に携わる一方で、宮城県内の自治体へ派遣され、被災者支援業務等にも従事。2023年からは企画政策部デジタル推進課の課長補佐として、電子地域ポイント「RUCPOINT」事業をはじめとするDX推進業務に従事している。
Content目次
RUC POINTとは?宇和島市の地域貢献型電子ポイント

「RUC POINT」は2023年10月に運用が開始された宇和島市独自の電子地域ポイントです。
宇和島市内でのイベントや地域活動への参加など、地域への貢献に対してポイントが付与され、1ポイント=1円として、市内の加盟店で利用することができます。
この「RUC POINT」の名称には、Region(地域)、Uwajima(宇和島)、Contribution(貢献)の頭文字をとり、「地域と市民等の貢献を宇和島市が繋ぐ」という強い想いが込められています。
どうしたら貯まる?地域活動から健康づくりまで広がるポイント獲得のチャンス

画像引用:「RUC POINT」公式サイト
「RUC POINT」を貯める方法は多岐にわたります。
まず基本となるのは、市が認定する地域活動への参加です。例えば、自治会やNPO、ボランティア団体などが主催する活動に参加することでポイントが付与されます。
また、地域活動への参加が難しい方のために、広報誌に掲載したクイズに「RUC POINT」アプリから回答するなど、地域活動に直接参加しなくてもポイントを獲得できる仕組みも導入されています。
これにより、より多くの市民の皆様が「RUC POINT」へ関心を持ち、アプリの利用を通じて地域活動への興味を深めることを目指しています。
どこで使える?市内の多様な加盟店ネットワーク

画像引用:「RUC POINT」公式サイト
貯めた「RUC POINT」は、宇和島市内の様々な加盟店で利用可能です。 加盟店数は現在266店舗(2025年6月1日現在)あり、飲食店、小売店、サービス業など、加盟店の業種は多岐にわたっています。
利用者は、地域活動などで得たポイントを日々の買い物やサービスに利用できます。
アプリのポイントのままでは利用できない加盟店向けに、アプリのポイントを紙クーポンに交換できる「紙クーポン交換所」も市内6箇所に設置しています。
RUC POINTの利用状況と市民・団体の声
「RUC POINT」事業を開始して約1年半が経過した2025年5月に、アプリの登録者数が1万人を超えました。

▲「RUC POINT」アプリ
RUC POINTは、NPOなどの団体がポイント付与対象となる活動を主催できる仕組みになっています。
ただし、これらの団体が活動を主催する際には、事前に市から認定を受けたうえで、活動内容を不特定多数の人々に対して周知する必要があります。
この仕組みによって、市民が、どの団体がどのような活動を行っているかを知ることができ、興味を持った地域活動に参加するきっかけに繋がると考えられています。
実際に、NPO団体がSNSで周知して清掃活動を行ったり、ボランティア団体がホームページで周知してこども食堂を開設したり、ポイント付与対象となる活動をしています。
このような活動の主催団体からは、参加者の意欲が向上し、団体の活動が活性化したとの声が寄せられています。

▲「RUC POINT」アプリ
ただし、課題もあります。
ポイントを貯めたり使ったりするためには、アプリの利用が必須であるため、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者などから、詳しい操作手順の周知を求める要望が寄せられています。
そこで、市民向けのスマホ教室を開催したり、市内の携帯電話ショップに無料の相談窓口を設置したりするなど、デジタルデバイド対策に積極的に取り組んでいます。
宇和島市の挑戦と今後の展望
「RUC POINT」の大きな特徴は、自治会やNPO、ボランティア団体、企業など、市が認定した多種多様な主体が主催する活動をポイント付与の対象としている点にあります。
これにより、市民の皆様をはじめ、多様な主体による地域への参加や貢献が促進され、連携、協働して地域の課題解決や活性化を図ることで、住みやすいまちづくりを進めることが可能になります。
また、貯めたポイントを地域の課題解決に取り組む団体などに寄付できる「ポイント支援機能」を備えていますので、地域課題の解決に向けて積極的に活動する団体を後押しすることができます。

▲「RUC POINT」アプリ
今後の展望として、ポイントが利用できる市内店舗や公共施設の利用範囲を拡充する取り組みに注力したいと考えています。
ポイント利用の選択肢を増加することで、さらに市民の利便性が向上し、「RUC POINT」に興味を持つ方が増え、地域活動への参加地域課題の解決や活性化という好循環につながることが期待されます。
これからも「RUC POINT」を、市民が地域に関わるきっかけを深めるためのツールとして、地域内のさまざまな活動や貢献を繋ぐ役割を強化しながら、取り組みをさらに拡大して行きたいと考えています。
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