大分県玖珠町の地域通貨「くすPay」で、町の魅力と経済をまるごと循環!

大分県玖珠町に、地域の絆を深め、経済を活性化するデジタル地域通貨「くすPay」が誕生しました。
スマートフォンアプリや専用カードを使って、簡単・便利にお買い物が楽しめるだけでなく、お得なポイントが貯まったり、町の施策と連動した特典が受けられたりと、嬉しい機能が満載です。玖珠町での暮らしがもっと豊かになる「くすPay」の魅力に迫ります。
お話を聞いた方
衞藤善生
2021年玖珠町商工会に着任し、事務局長として小規模商工業者の組織強化や経済対策の推進に携わる。2024年から、デジタル地域通貨「くすPay」の導入普及に従事。
Content目次
「くすPay」とは? デジタルで変わる玖珠町の新しいお買い物スタイル
「くすPay」は、玖珠町の加盟店で利用できるデジタル地域通貨です。現金のようにチャージして使える電子マネー機能と、お買い物やイベント参加などで貯まる「くすポイント」の二つの仕組みにより、町内でのお金やポイントの循環を促し、地域経済の活性化を目指しています。

画像引用:くすPay公式ホームページ
コロナ禍と物価高騰を乗り越える、地域経済好循環の鍵
「くすPay」導入の背景には、コロナ禍や物価高騰により疲弊した地域経済を立て直し、持続可能な地域づくりを進めたいという玖珠町の強い意志があります。
キャッシュレス化を推進することで、町内での消費を促し、地元企業や商店の売上増加に直接貢献することを目指しています。
この取り組みは、玖珠町商工会が事業主体となり、町やアプリ開発事業者と連携しながら、デジタル化推進と地域振興の両立を図るものです。
アプリでもカードでも!選べる決済方法
「くすPay」の利用方法は、二つあります。
一つは、スマートフォンに専用アプリをダウンロードして利用するQRコード決済。もう一つは、スマートフォンをお持ちでない方や、より手軽に使いたい方向けの「くすPayカード」を使った決済です。
どちらの方法でも、加盟店に設置されたQRコードを読み取ったり、店舗側の端末でカードのQRコードを読み取ってもらうことで支払いが完了します。


画像引用:くすPay公式ホームページ
利用者は町内外問わず、加盟店は続々拡大中
「くすPay」は、玖珠町内にお住まいの方だけでなく、町外の方でも利用できます。観光やビジネスで玖珠町を訪れた際にも便利に使え、旅の思い出を「くすPay」で彩ることができます。
現在、町内全域の約114店舗で利用可能となっており、飲食店、小売店、サービス業など、様々な業種の店舗が加盟しています。中には、大型店も含まれており、幅広いシーンで利用できるのが魅力です。

画像引用:くすPay公式ホームページ
現金チャージで安心、チャージできる場所も豊富
「くすPay」へのチャージは、現在現金のみ対応しています。チャージできる場所は、玖珠町商工会、くすPayサポートセンターに加え、iPadを所有する一部の加盟店(2025年7月現在44店舗)でも可能です。1,000円単位でチャージでき、必要な時に必要な金額だけ入金できるので、使いすぎる心配もありません。
お得がいっぱい!「くすポイント」と「期間限定ポイント」の魅力
「くすPay」を使うもう一つの大きなメリットは、ポイント還元です。「くすポイント」と、特定の政策に連動した「期間限定ポイント」があり、賢く利用することで日々の生活がお得になります。
110円(税込)で1ポイント貯まる「くすポイント」
「くすPay」でのお買い物金額110円(税込)につき、1ポイントの「くすポイント」が付与されます。貯まったポイントは1ポイント=1円として、加盟店でのお買い物に利用できます。
このポイント付与の仕組みは、商工会が40年以上前から取り組んできたポイントカード事業を引き継いだもので、多くの町民に親しまれています。お買い物をすればするほどポイントが貯まるため、町内での消費がより楽しくなります。
町からの嬉しいサポート!「期間限定ポイント」
「期間限定ポイント」は、子育て支援や高齢者福祉など、玖珠町が特定の政策目的に応じて対象となる町民に付与する特別なポイントです。これは、町民の生活を直接的にサポートするための取り組みであり、「くすPay」を通じて行政サービスの一部をデジタルで提供する新たな試みと言えるでしょう。
今後は、環境活動や健康増進、コミュニティ活動への参加などに対しても、行政ポイントの付与が検討されており、住民生活の質の向上に寄与することが期待されています。

画像引用:くすPay公式ホームページ
アプリで広がる「くすPay」の便利機能と今後の展望
「くすPay」は、決済やポイント機能に加え、アプリならではの便利な機能も備えています。そして、将来的にはさらに機能が拡充される予定です。
アプリで簡単!ユーザー登録とカード連携
「くすPay」アプリの利用には、「くすPayカード」の発行が必須です。カードは玖珠町商工会または「くすPay」サポートセンターで即日発行できます。
アプリのダウンロード、インストール後、携帯電話番号を使ったSMS認証で簡単にユーザー登録が可能です。
その後、お手元にある「くすPayカード」裏面のQRコードをアプリで読み取ることで、カード情報をアプリに連携させることができます。一度連携すれば、アプリで残高確認や利用履歴の確認ができるようになり、より便利に「くすPay」を管理できます。
加盟店マップで新しいお店を発見!
アプリには、加盟店一覧やマップ表示機能があります。位置情報の利用を許可すれば、現在地周辺の加盟店を簡単に探すことができ、まだ行ったことのないお店やサービスを発見するきっかけにもなります。

画像引用:くすPay公式ホームページ
加盟店の詳細情報も確認できるため、チャージが可能かどうかも事前に把握できます。
利用促進と機能拡充で、さらに便利に
「くすPay」の利用促進のため、今後はプレミアム付きポイント事業などのキャンペーンやイベントが計画されています。

画像引用:くすPay公式ホームページ
また、チャージの利便性向上のため、オンラインチャージ機能の導入や専用チャージ機の設置も検討されています。アプリ機能の使いやすさ向上にも引き続き取り組んでいく予定です。
さらに将来的には、高齢者の地域交通(バス・タクシー券)に「くすPay」を利用できるようにする構想もあり、住民の生活を多方面から支えるツールとしての発展が期待されています。
利用者の声、加盟店の声、そして今後の課題
「くすPay」は、導入からまだ間もないですが、多くの利用者と加盟店に利用されており、様々な声が寄せられています。
利用者からは「利用可能店舗の拡大」、加盟店からは「経理処理の簡素化」を期待
利用者からは、「利用できるお店をもっと増やしてほしい」といった要望や、「アプリの操作性をさらに向上させてほしい」といった声が寄せられています。
一方、加盟店からは、チャージや決済に伴う経理処理の煩雑さを指摘する声や、カード取得手続きの簡素化を求める意見も聞かれています。
未導入店舗への丁寧な説明とサポートが鍵
まだ「くすPay」を導入していない店舗からは、手数料やポイント付与に対する懸念の声が挙がっています。こうした課題に対し、運営側はキャンペーンやイベントの実施や、チャージ方法の多様化、アプリ機能の改善などを通じて、利用者、加盟店双方にとってさらにメリットのある仕組みへと進化させていく方針です。
地域経済の活性化と住民生活の質の向上を目指す「くすPay」
大分県玖珠町の地域通貨「くすPay」は、単なるキャッシュレス決済手段にとどまらず、地域経済の好循環を生み出し、住民の暮らしを豊かにするための重要なツールです。
コロナ禍や物価高騰という困難な状況を乗り越え、デジタル化の流れを取り入れながら、持続可能な地域づくりを目指す玖珠町の取り組みは、今後ますます注目されることでしょう。
決済機能やポイント還元、行政施策との連携など、多彩な機能を持ち合わせた「くすPay」は、利用者にとって便利でお得なサービスであり、加盟店にとっては売上増加や新規顧客獲得のチャンスを広げるものです。
運営上の課題や、利用者・加盟店からの要望にも真摯に対応しながら、今後さらに進化していくことが期待されています。
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