未来の桐生を紡ぐ地域通貨「桐ペイ」:地域経済を活性化し、市民生活を豊かにする

群馬県桐生市で2022年11月から運用が開始された電子地域通貨「桐ペイ」。
コロナ禍で疲弊した地域経済の活性化を目指し、市民生活の利便性向上と地域コミュニティの活性化を図る、未来志向の取り組みです。
単なる決済手段を超え、さまざまな施策と連携することで、桐生の魅力を再発見できるツールとして進化を続けています。
お話を聞いた方
德竹 直人
2016年に桐生市役所に入庁。産業経済部門に所属し、金融や商業振興業務に従事する。2022年からDX推進室に配属となり、桐生市電子地域通貨「桐ペイ」の導入から携わり、普及定着の推進に従事する。
Content目次
桐ペイとは?
「桐ペイ」は、スマホアプリ「chiica」または専用カードに現金をチャージし、加盟店で利用できる地域限定の電子通貨です。


▲「chiica」アプリ
チャージ時に1%のプレミアムポイントが付与されるなど、お得に利用できる点が魅力。スマホの操作が難しい方のために、申請により磁気カードも用意されています。

引用:桐生市ホームページ(専用カード)
桐ペイの使い方:3ステップで簡単スタート!
「桐ペイ」の利用は、たった3ステップで始められます。
- お財布の準備: スマホアプリ「chiica」をダウンロードするか、専用カードを申請します。アプリはApp StoreまたはGoogle Playからダウンロード可能。カードはオンライン申請または窓口での申請が可能です。
- チャージ: 全国セブン銀行ATM、市役所、支所、一部の公民館、桐生信用金庫の一部店舗などで現金をチャージできます。セブン銀行ATMなら24時間いつでもチャージ可能です。
- お支払い: 加盟店で「桐ペイで」と伝え、スマホアプリで2次元コードを読み取るか、スマホまたは専用カードの2次元コードを加盟店に読み取ってもらうことで支払いが完了します。



引用:桐生市ホームページ
桐生市を元気にする桐ペイの仕組み
「桐ペイ」は、地域経済の活性化を目的としたさまざまな仕組みを備えています。
1%のプレミアムポイントが魅力の通常チャージ

引用:桐生市ホームページ
いつでもチャージ金額の1%のプレミアムポイントが付与される「通常チャージ」は、「桐ペイ」の大きな魅力。加盟店でのみ利用できるため、地域内での資金循環を促進します。
ポイントの多彩な取得方法
通常チャージ以外にも、ポイント付与率がアップするキャンペーンや、商店街とのコラボイベントなど、さまざまな方法でポイントを取得できます。
また、健康づくりに取り組んだ方への特典や、電動アシスト自転車やLED照明器具購入など温室効果ガス排出量削減に関する取り組みに対する補助など、インセンティブとして各種事業に桐ペイを取り入れることで、利用者の行政参加や行動変更を促しています。
ポイントをプレゼントなどに使える「だれでもポイント制度」
加盟店で利用されたポイントの精算原資を負担金として市がお預かりすることで、市が発行するポイントをプレゼントや記念品、抽選会の景品、企業の福利厚生や制度改善のインセンティブなど、誰でも、より身近なシーンに使うことができる仕組み「だれでもポイント制度」を実施しています。
幅広い加盟店で利用可能
2025年3月末時点で800店舗もの加盟店が登録されており、飲食店や物販店を中心に、さまざまな業種で利用可能です。
加盟店は増加傾向にあり、地域の経済活動を幅広くカバーしています。
桐ペイの利用状況と経済効果
「桐ペイ」は多くの市民に利用されており、地域経済への貢献も着実に進んでいます。
2025年1月末時点で利用者数は50,511人で、年齢層は幅広く、50代、40代、60代が中心です。
2024年度の決済回数は約45万回、決済金額は約10億1500万円に上っています。
導入後、32億6千万円以上のポイントが発行され、地域経済の活性化に貢献しています。
桐ペイの運営体制と課題への取り組み
「桐ペイ」の運営は、桐生市が主体となり、株式会社トラストバンクのプラットフォーム「chiica」を活用しています。
運営費用と財源
運営費用は、ポイント精算費、システム利用料、セブン銀行、ATMチャージ手数料、販促物製作費など。財源は市の一般財源、国の交付金、利用者のチャージ金、民間からのポイント発行原資などで賄われています。
課題と解決策
「桐ペイ」の課題としては、加盟店数の増加、財源の確保、若年層の利用促進が挙げられています。
対策として、未加盟店への営業活動、民間原資を活用した「だれでもポイント制度」の新設、学生インターンシップや出前講座による若年層へのアプローチなどを実施しています。

引用:桐生市ホームページ
桐ペイの社会効果と今後の展望
「桐ペイ」は経済効果だけでなく、地域コミュニティの活性化にも貢献しています。
地域コミュニティへの影響
加盟店による「桐ペイ」利用者限定特典の設定や、「だれでもポイント制度」を活用した地域イベント、自治会活動など、地域貢献ツールとしての活用も広がっています。
今後の展開
2025年4月からはアプリ間での送金機能が追加されました。利便性向上とポイントの使い切り促進が期待されます。また、更なる普及定着に向けた研究も継続中です。
桐ペイに関するよくある質問
「桐ペイ」についてよくある質問をまとめました。
Q. 桐ペイはどこで利用できますか?
A. 桐ペイ加盟店で利用できます。加盟店は桐生市ホームページやchiicaアプリで確認できます。
Q. 桐ペイの残高はどこで確認できますか?
A. chiicaアプリで確認できます。専用カードの場合は、加盟店、チャージ会場、セブン銀行ATM、残高照会サイトなどで確認できます。残高サイトを利用する場合は、桐生市役所までご連絡ください。
Q. 桐ペイで支払えないものはありますか?
A. はい、あります。不動産、金融商品、たばこ、商品券、プリペイドカードなど換金性の高いもの、公共料金、風俗営業関連など、桐生市が適当でないと認めるものは支払えません。
Q. 専用カードを紛失した場合、どうすればよいですか?
A. 桐生市役所DX推進室に連絡してください。
Q. ポイントの有効期限はありますか?
A. ポイントの種類によって有効期限が異なります。chiicaアプリで確認できます。
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