神栖市の地域通貨「かみすポイントカード」とは? 市民とお店をつなぐお得な仕組み

茨城県神栖市で利用されている地域通貨「かみすポイントカード」は、地域内の経済を活性化し、市民生活を豊かにすることを目指して導入されました。
2003年に始まったスタンプカード制度を前身とし、2021年10月にデジタル化を含む大規模なリニューアルを実施。市内のさまざまなお店で利用できるほか、市のイベント参加などでもポイントが貯まるユニークな仕組みを備えています。
Content目次
「かみすポイントカード」の誕生とその目的

「かみすポイントカード」は、神栖市内の個人事業者が営むお店の活性化と、地域内での消費を促進するために生まれました。
市内にあった3つのスタンプカード会が一つになり、2003年に「神栖ポイントカード会」としてスタート。
新型コロナウイルスの影響による非接触化への対応や、デジタル化による利便性向上、さらなる利用促進を図るため、神栖市役所と神栖ポイントカード会が連携して、大幅なリニューアルが実現しました。
このリニューアルにより、スマートフォンでのポイント管理も可能になり、より多くの世代が利用しやすい環境が整備されました。市民にとってもお店にとっても、より使いやすく、地域活性化に貢献できるツールとなっています。
「かみすポイントカード」の仕組みと使い方
加盟店でのお買い物や、市のイベント参加でポイントが貯まります。貯まったポイントは1ポイント=1円として加盟店で利用できます。

画像引用:神栖ポイントカード会公式サイト
「かみすポイント」は、神栖ポイントカード会に加盟している約81店舗(2025年5月9日現在)で利用可能です。
使い方は簡単で、加盟店でお買い物をする際にカードを提示すると、通常100円(税抜)ごとに1ポイントが貯まります。
貯まったポイントは1ポイントからお会計に利用できるため、少額からでもお得を実感できます。
独自ポイント「ココくんポイント」とは

神栖市の地域ポイントカードの大きな特徴の一つが、神栖市が発行する「ココくんポイント」です。
これは、市が主催するイベントや事業(ポイント付与対象事業)に参加することで付与されるポイントです。
例えば、子育て両親学級や地域支援サポーター養成講習会、防災訓練、海岸清掃ボランティアなど、多岐にわたる市の活動が対象となっています。

画像引用:神栖市公式サイト
「ココくんポイント」が200ポイント貯まると、自動的に「かみすポイント」200ポイントに切り替わり、加盟店で利用できるようになります。
2種類のカードと特別カードの特典
「かみすポイントカード」には、「一般カード」と「特別カード」の2種類があります。どちらのカードでも、「かみすポイント」と「ココくんポイント」の両方を貯めることができます。

- 一般カード:神栖ポイントカード会が発行し、加盟店で入手できます。
- 特別カード:神栖市が発行し、地区加入世帯の代表者に交付されます。特別カードには特典があり、毎年ココくんポイントが500ポイント付与されるほか、新規地区加入世帯に対し、加入時に400ポイント付与されます。さらに、一部の事業ではココくんポイントが通常の2倍貯まります。
ポイントの獲得方法
「ココくんポイント」の獲得方法は、事業によって異なります。イベント会場で専用端末を使ってその場で付与される場合や、参加者にクーポン券が配布され、後日、市役所やコミュニティセンター、加盟店などで読み取ってもらう方法があります。
オンライン開催の場合は、ポイントカード番号を伝えて獲得することも可能です。特別カードをお持ちの方は、提示することで特典を受けられるため、忘れずに持参することが大切です。
「かみすポイントカード」が使えるお店
「かみすポイントカード」は、食料品店、飲食店、衣料品店、サービス業など、市内のさまざまな業種の加盟店で利用可能です。
地域に根ざした個人商店が多く加盟しており、普段使いのお店でポイントを貯めたり使ったりできるのが魅力です。

画像引用:神栖市公式サイト
加盟店一覧は、神栖ポイントカード会のウェブサイトで地区別でも確認できます。
また、加盟店では、毎月10日と20日に「ポイント倍セール」を実施している店舗もあります。この日は、通常よりもお得にポイントが貯まるため、市民にとって買い物をする楽しみが増え、加盟店の集客にも繋がっています。
バラエティ豊かな商品やサービスが対象となるため、毎月のセールを楽しみにしている利用者も多いようです。
地域活性化への貢献と今後の展望
「かみすポイントカード」は、単なるポイントカードにとどまらず、地域経済の活性化やコミュニティの維持・発展に貢献しています。
利用者・加盟店の声と今後の課題
利用者からは、利用可能店舗の拡大やアプリ化への要望が寄せられています。
加盟店からは、端末の利便性向上に関する要望があり、未導入店舗からは端末操作や従業員の運用負担への懸念が挙げられています。
運営上の大きな課題としては、事務局の人手不足やサポート体制、そして加盟店の拡大が挙げられており、日々試行錯誤しながら活動を続けている状況です。
将来に向けた取り組み
今後、端末の老朽化を見据えたスマートフォンアプリへの対応が検討されています。また、利用者や加盟店に喜んでもらえる企画として、スタンプラリーや屋台村といったイベントの実施も計画されています。
広報活動についても、ウェブサイトのリニューアルやSNSを活用し、より多くの人に情報を届けられるよう検討を進めています。
ボランティア活動や区への転入でポイントが付与される点や、特別カードによる特典など、独自の強みを活かしつつ、利便性の向上や加盟店の増加に努めることで、神栖市の地域活性化にさらに貢献していくことが期待されます。
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