魚津市「MiraPay」:地域経済を活性化する決済ツール

富山県魚津市で令和3年度に導入された電子地域通貨「MiraPay」。新型コロナウイルス感染症拡大による地域経済への打撃を緩和し、活性化を図るための施策として誕生しました。
紙の商品券発行からキャッシュレス決済への移行という、時代の流れに合わせた取り組みです。
MiraPayは、単なる決済手段にとどまらず、地域経済の活性化、健康増進、地域活動の活性化など、多岐にわたる効果を発揮しています。
お話を聞いた方
中村静恵
2018年魚津市地域おこし協力隊に着任し、移住・定住をミッションに活動。その後、移住。コンシェルジュとなる。2024年から商工観光課にて魚津市電子地域通貨「MiraPay」の普及等に従事。
Content目次
MiraPay:その仕組みと利用方法
MiraPayとは、魚津市内で利用できるQRコード決済方式の電子地域通貨です。
スマートフォンアプリと専用カードの2種類があり、市内全域239店舗(令和7年3月1日現在)で利用可能です。


誰でも手軽に利用できる点が魅力です。
アプリ版の使い方
アプリ版は店舗のQRコードを読み取る方式です。

引用:魚津市資料


使えるお店を探すのもアプリでできます。
カード版の使い方
カード版は店舗側が利用者のQRコードを読み取る方式です。

引用:魚津市資料
MiraPayの誕生:コロナ禍の苦境から生まれた希望
2020年度、新型コロナウイルス感染症の拡大は、魚津市の飲食業・宿泊業等に深刻な打撃を与えました。
そこで市は地域経済喚起策として紙の商品券を発行。しかし、発行コストや期間、感染症対策の観点からキャッシュレス決済導入の検討を始め、2021年度に「MiraPay」が導入されたのです。
MiraPayの利用状況:地域住民に支えられる決済ツール
2025年3月1日現在、「MiraPay」のアプリ登録者数は8,934件、カード枚数は約3,000枚。
利用者の年齢層は40代、50代がそれぞれ約25%、次いで30代、60代がそれぞれ約16%を占めています。

▲年代別利用者のグラフ
男女比は4:6で、利用者の73%が市内在住者です。地域に根付いた決済ツールとして定着しつつあります。
「キャンペーンがある際は、魚津市外の友だちにMiraPay利用を進めている」といった利用者の声も聞かれ、口コミでの広がりも期待されます。
MiraPayの運営:自治体主導で安心・安全な運用
「MiraPay」の運営主体は魚津市です。
現金給付や大手電子マネーとは異なり、市内でしか利用できないため、市内経済の活性化に直接的な効果を発揮する仕組みです。
MiraPayの活用事例:地域を盛り上げる多様な取り組み
「MiraPay」は地域経済活性化だけでなく、多様な場面で活用されています。
地域イベントの協賛金の返礼や勤続祝い金としての活用、特定健診受診者や健康ポイント参加者への「MiraPay」コイン付与、地域活動への参加促進など、その可能性は広がりを見せています。
MiraPayの課題と進化:さらなる利便性向上に向けて
「MiraPay」の課題は現金チャージのみという点です。
「チャージをもっと気軽にできるとうれしい(クレジットカードでの連携など)」という利用者の声や、「会計ソフトとの連携もできるようになったらうれしい」という加盟店からの要望があります。
一方で、「手数料は他のクレジットカードやPayPayより一番安価なのは良かった」という肯定的な意見も。これらの声に応え、さらなる利便性向上を目指した取り組みが期待されています。
MiraPayの未来:地域経済の活性化に貢献
MiraPayは地域経済の活性化に貢献するだけでなく、地域住民の健康増進や地域活動の活性化にも寄与する多機能なツールへと進化を続けています。利用可能店舗の拡大やキャンペーンの実施など、今後の更なる発展が期待されます。魚津市のホームページでも、「MiraPay」の最新情報が発信されていますので、ぜひご確認ください。
MiraPayに関するよくある質問
Q:MiraPayアプリとMiraPayカードの違いは?
A:アプリはスマホでQRコードを読み取る方式、カードは店舗側がQRコードを読み取る方式です。
Q:MiraPayのチャージ方法を教えてください。
A:現金チャージ機または現金チャージ登録店舗でチャージできます。
一覧に戻る