地域経済を活性化!新潟県糸魚川市のデジタル地域通貨「翠ペイ」とは?

「翠ペイ(すいぺい)」は、新潟県糸魚川市が導入・普及に取り組んでいるデジタル地域通貨です。
糸魚川信用組合、糸魚川商工会議所、能生商工会、青海町商工会と糸魚川市が連携して運営しており、地域内の消費活動を高め、地域経済の活性化と効率化を目指しています。
この記事では、「翠ペイ」の魅力や使い方を通じて、身近な生活のキャッシュレス化の楽しみ方をご紹介します。
お話を聞いた方
渡邉武
糸魚川信用組合の職員。2025年2月から翠ペイ事務局でシステム関連を担当している。
Content目次
「翠ペイ」が誕生するまでの経緯
糸魚川市では、持続可能なまちづくりの実現に向けた地域経済の活性化を目的として、2022年2月16日に糸魚川市と糸魚川信用組合によって「デジタル地域通貨導入プロジェクト」が始まりました。
地域循環社会の実現による地域内消費促進、地域のキャッシュレス化推進、そして紙からデジタルへの効率化による労働力不足への対応などが具体的な目標として掲げられました。
その後、商工団体(糸魚川商工会議所、能生商工会、青海町商工会)が加わり、行政・商工団体・金融機関の5団体で連携協定を締結。それぞれが役割を分担し、2024年2月1日にデジタル地域通貨発行事業「翠ペイ」を開始しました。
「翠ペイギフトカード」の取り扱い開始に伴い、長年親しまれてきた市内共通商品券(紙)は2024年6月30日に廃止されています。

画像引用:「翠ペイ」公式サイト
翠ペイの仕組みと利用方法
「翠ペイ」は、スマートフォンアプリまたは糸魚川市民限定の専用カードを利用したQRコードによるキャッシュレス決済サービスです。
利用者が加盟店に設置されているQRコードを読み取る方法や、専用カードが利用可能な加盟店では利用者がQRコードを提示する方法で決済します。

画像引用:「翠ペイ」公式サイト
チャージ方法
アプリタイプ、カードタイプどちらも、糸魚川信用組合の各店窓口(上越支店を除く)または全国のセブン銀行ATMでチャージできます。
「翠ペイ」にチャージすると、チャージ額の1%分のポイントが付与されるためお得です。今後はクレジットカードチャージにも対応する予定で、預金口座からの口座連携によるチャージも検討されています。

画像引用:「翠ペイ」公式サイト
利用可能店舗と対象者

画像引用:「翠ペイ」公式サイト
「翠ペイ」は、糸魚川市内にある約250店舗の加盟店で利用できます。店舗によってはスマートフォンアプリのみ、またはスマートフォンアプリと専用カードの両方が利用可能な場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。
スマートフォンを所有していれば、全国の誰でもアプリ会員に登録できますが、専用カードは糸魚川市民限定で発行されています。
有効期限
チャージした「翠ペイ」の有効期限は、チャージした月を含めた6か月後の末日までです。
お得なキャンペーン情報
「翠ペイ」では、利用促進のためにお得なキャンペーンを定期的に実施しています。
第2回 キャッシュレスで15%トクしちゃおうキャンペーン

画像引用:「翠ペイ」公式サイト
キャンペーン期間中に「翠ペイ」にチャージすると、チャージ額の10%分のポイントと、アプリ決済額の5%分のポイントが付与される大変お得なキャンペーンです。チャージ上限額は1人あたり10万円で、最大15,500円分のポイントを獲得できます。
- チャージ期間:2025年5月1日(木)から2025年7月31日(木)まで
- ポイント使用可能期間:2025年5月1日(木)から2025年10月31日(金)まで
- チャージ額の10%分のポイント付与対象:アプリ・カード会員
- 決済額の5%分のポイント付与対象:アプリ会員のみ
新規会員キャンペーン
※本キャンペーンは終了しました
2024年12月11日から2025年4月20日までに初めて5,000円以上のチャージをした人全員に、もれなく5,000ポイントが付与されるキャンペーンです。
- ポイント付与日:2025年5月1日(木)
- ポイント使用可能期間:2025年5月1日(木)から2025年10月31日(金)まで
- 対象:アプリ会員、カード会員
これらのキャンペーンポイントは、使用可能期間を過ぎると失効するため注意が必要です。
翠ペイの利用状況と効果
2025年5月20日時点で、利用者は2,953人(アプリ会員2,613人、カード会員340人)に達し、市内会員が2,357人、市外会員が596人となっています。取引総数は1億2,700万ポイントを超えました。
加盟店は約250店舗で、業種別内訳は小売店45%、飲食店30%、サービス25%です。取引件数の80%以上が小売店で発生しており、「翠ペイ」が日常生活の中で広く利用されていることがわかります。
キャンペーン開催時には、通常時の1.5倍から2倍のポイントが使用されており、売上増加に一定の効果が見られます。また、民間イベントや企業の福利厚生、ゴルフコンペの景品としても活用されるなど、地域コミュニティでの利用も進んでいます。行政による健康ポイントや清掃活動参加ポイントの付与は、市民の健康増進や環境問題への意識向上にも貢献しています。
翠ペイの運営体制と課題
「翠ペイ」は、一般社団法人糸魚川市デジタル地域通貨振興協会が発行主体となり運営しています。協会の役員は、行政、商工団体、金融機関の代表者で構成されており、構成団体が連携して事業に取り組んでいます。

画像引用:糸魚川市公式サイト
運営上の課題としては、加盟店の増加と「翠ペイ」の有効期限(6か月)の解除が挙げられています。また、利用者からは現金チャージのみであることや利用店舗が限られること、加盟店からはインターネット環境が必須であることや高齢者の利用率が低いことなどが課題として挙げられています。
共通の課題としては、通信障害やシステム障害時に利用できないことが挙げられており、過去には観光キャンペーンでのポイント付与時にシステムダウンが発生したこともあり、対応策を検討しています。
今後の展望
「翠ペイ」では、今後、クレジットカードチャージや口座連携によるチャージ方法の拡充を目指しています。また、利用期限6か月の解除についても継続して取り組んでいく予定です。
利用促進のため、行政広報紙や商工団体・金融機関の情報誌での発信、地域イベントへの出店など、様々な広報活動を行っています。高齢者など、IT機器利用に不慣れな人へのサポートとして、コールセンターの設置や訪問サポート、「翠ペイ」アプリのダウンロードや使い方のサポートなども実施しています。
観光客誘致については、これまで観光キャンペーンでの宿泊者へのポイント付与などが行われ、市外からの観光客誘致にも効果が見られました。今後は、加盟店を増やし、利用者の利便性を向上させるとともに、加盟店の「翠ペイ」によるデジタル化で事務処理効率化を支援し、地域課題である労働力不足の改善にも貢献していくことを目指しています。
まとめ
新潟県糸魚川市のデジタル地域通貨「翠ペイ」は、地域経済の活性化と持続可能なまちづくりを目指して導入されました。行政、商工団体、金融機関が一体となって運営し、お得なキャンペーンや多様な利用シーンを通じて地域への浸透が進んでいます。チャージ方法の拡充や加盟店の増加など、今後の展開にも期待が集まります。
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